

新築やリノベーションの現場で、完成後にとても多いご相談の一つが「歩いたときのきしみ音」や「フローリングのズレ」です。毎日肌が触れ、何気なく歩く場所だからこそ、ほんのわずかな異音や違和感も気になってしまうものですよね。
私たち現場監督は、何十年と暮らす住まいの中で、こうした不具合を最初から起こさないために、施工段階から細心の注意を払っています。本日は、現場で職人さんとともに徹底しているフローリング施工のチェックポイントをご紹介します。
フローリングに使われる木材は、生き物のように湿気や温度の変化によって伸び縮み(膨張・収縮)を繰り返す性質を持っています。
そのため、施工時に壁や柱のきわをぴったりと隙間なく貼ってしまうのはNGです。夏場の湿気で木が膨らんだとき、逃げ場がなくなったフローリング同士が押し合い、盛り上がりや「ミシミシ」というきしみ音の原因になってしまいます。
現場では、壁ぎわに3ミリ程度の隙間(クリアランス)を計算して施工しているかを厳しくチェックしています。この隙間は最終的に巾木(はばき)で綺麗に隠れるため、見た目を損なうことはありません。
「見えない部分にこそ、正確な余裕を持たせること」。
これが長く快適な床を保つ秘訣です。
フローリングを貼る前の「下地」の精度も、きしみを防ぐうえで極めて重要です。
どれほど上質なフローリング材を使っても、その下の合板や根太にわずかな段差(不陸)や歪みがあると、上から荷重がかかったときに床板が沈み込み、音が鳴る原因になります。さらに、釘の留め付けが不十分で浮きがあると、時間が経つにつれてズレが生じます。
そのため、フローリングを貼り始める前に、大工さんと一緒に下地の水平や釘の本数・浮きがないかを徹底的に確認。ミリ単位の調整をクリアした状態でのみ、次の工程へ進むようにしています。
フローリングは、貼った瞬間から完了まで、どれほど丁寧に扱うかが仕上がりを大きく左右します。
工事中には、道具の落下や資材の搬入、他の職人さんの出入りによるキズや汚れのリスクが常に伴います。そのため、施工が終わった箇所から速やかに厚手の保護シート(養生)を隙間なく敷き詰め、テープでしっかりと固定しています。
このとき重要なのが、湿気がこもらない素材を選ぶことや、テープの糊がフローリング本体に残らないような配慮です。ただ敷くだけでなく、日々の現場巡回のたびに養生が剥がれていないか、下でゴミが噛んでいないかをチェックし、引き渡し直前まで無傷の状態をキープしています。
見えないこだわりが、10年後の心地よさをつくる
床の施工は、一度仕上げてしまうと、その下の構造や職人の細やかな気配りはすべて隠れてしまいます。だからこそ、私たち現場監督が厳しく目を光らせ、一つひとつの工程に妥協しないことが何よりも大切だと考えています。
「いつまでも安心して、心地よく歩ける床であること」。
これからも信頼できる職人さんたちと共に、細部までこだわり抜いた施工を続けてまいります。お住まいの床や施工について気になることがありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。
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